設計士ブログ
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弊社の設計をご指導頂いている松尾和也先生によると、自宅での不満として挙げられるものは、
1位:暑い 28.0%
2位:寒い 27.3%
3位:結露 15.0%
だそうです。まさしく私たちもよくお聞きすることです。
更に、これに付随してくるのが「光熱費が高い」ということ。
不満のもとである暑さや寒さを解決しようとすると、光熱費をかけるしかないということになりますよね。
皆様のご自宅はいかがでしょうか?
逆説すると、夏涼しく冬暖かい、気密性の高い高性能住宅が不満のない暮らしにしてくれるということですよね。
これからマイホームを建てる方、リフォームをお考えの方には、ぜひ適切な冷暖房計画を取り入れていただきたいと思います。
夏涼しく冬暖かい住宅にするために必要なポイントは
●適切な冷暖房計画
●住み方の工夫(引き渡し時に説明)
●日照条件の理解(等時間日影図の作成)
という3点です。対応として考えられるのは以下です。コスパで言うと上から順になりますが、楽さで言うと下から順になります。
暖房に関してはさまざまな器具があるので他のものを選択される方もいらっしゃいますが、実はエアコンの光熱費が一番家計に優しいです。
薪が無料で手に入る状況で薪ストーブを使用するのでない限り、エネルギーのコスト面ではエアコンが勝っているんですね。
※燃料費単価は時期や地域により異なるので目安として表記
では、今回はコスパ1位のエアコンの使用方法についてご紹介します。
<理想的なエアコンの設置>
・冷房用ACの室外機は影に置く(暖房用ACは日当たりが良い位置)
・配管距離はできるだけ短くする
・エアコンの風はサイド方向より前方に広がりやすいので室内の設置場所に注意
<エアコンの選び方>
エアコンのカタログに記されている能力は、たいていの場合冬7℃、夏35℃で計算されています。
特に冬に関しては寒ければ寒いほど大幅なデータ補正が必要になります。
また、エアコンを購入する際に対応畳数が表記されていますが、これも昔の住宅性能に対して記載されており、今の高気密高断熱住宅には当てはまりません。
吹き抜けの有無や日照条件によっても変わってきますので、エアコンの選定をする際には工務店に相談されることをおすすめします。
<エアコンを効率よく使うには>
●冷房・暖房共に風量強運転又は自動運転
暖房の場合はファンの音が気にならない限り風量強運転が効率が良いです。冷房の場合も同様に光熱費だけを考えれば風量強運転が良いのですが、湿度が下がりにくくなるので弱運転がお勧めです。夏の冷房期は太陽光発電も有りますし、そもそも冷房費は思ったより電気代も掛かりません。
なので冷房に関しては風量弱運転をお勧め致します。
また、冷房設定温度を1度下げると13%電気料金が上がります。(暖房も同様)
●こまめにフィルター清掃・ドレン清掃をする
ドレン配管の清掃を怠ると一定の確率でドレン配管が詰まって室内に水漏れをもたらします。お掃除機能付きのエアコンであってもフィルターの細かいほこりは取り切れていないのでフィルター清掃はこまめに行う事をお勧めします。
内部ファンが汚れにくい構造のエアコンを選ぶ事も大事です。(例:シャープ エアレスト等)
●小屋裏エアコン&床下エアコンを併用する
弊社の(ほぼ)標準仕様である小屋裏エアコン(冷暖房兼用)と床下エアコン(暖房専用)の概要図です。
市販品のルームエアコンを使用した松尾先生考案の冷暖房システムです。
・床下エアコンのメリット
輻射熱を利用したエアコンシステムのため、温風が直接体に当たりません。床下を暖めることで足元から暖かく過ごせます。また家中どこでも暖かい空間が作れます。浴室やトイレなど、ヒートショックの起こりやすい部屋も一定の温度を保ってくれます。暖かい空気は軽い為、下から上へと移動するため、床下エアコンは暖房用としては最適です。さらにメーカーの全館空調システムや床暖房と比べて、導入費用が安価になるのもメリットです。
・小屋裏エアコンのメリット
小屋裏エアコンも、風が直接体に当たらないので快適です。エアコンの風が苦手な方でも心配ありません。家中、温度差の少ない快適な空間を作ります。
冷たい空気は上から下へと移動するため、小屋裏にエアコンを設置する事で効率よく各部屋に冷気を分配してくれます
※メーカーの全館空調システムの場合、故障時のメンテナンス費用が高額になりがちですが、小屋裏エアコン・床下エアコン共に市販のルームエアコンなので故障時のメンテナンス費用も安く済むのもメリットです。
以前のブログ「太陽に素直な設計」を解説します(◀記事へリンク) でもご紹介したように、エイト建築設計事務所では適切な計算を行なって家の設計を行なっています。
冷暖房器具の選定についても専門知識を持ってご提案させていただきますので、ぜひご相談ください。