高性能な家づくりを実現するための
パッシブ設計から紐解く
「太陽を利用した設計技術で、
感覚で決めない快適性が生まれる」
計画土地を調査するだけでなく、窓から太陽がどう入ってくるのか、隣の家との距離はどうなっているのか、このような視点から設計デザインすることで、自然の力を利用した快適な暮らしが実現出来るのです。さらに自然光の暖かさによって暖房費を抑えることもできます。
日当たりではなく「影」
から考える設計
基本設計として、
まず最初に1年で最も日当たりの悪い
冬至の日の等時間日影図を作成しています。
基本設計として、まず最初に1年で
最も日当たりの悪い冬至の日の
等時間日影図を作成しています。
太陽の自然光によって得られる日射熱をたくさん取り入れるために、隣家の影の影響が最も少なくなる位置に建物を配置して、大きな窓を配置する必要があります。
等時間日影図を見ればその場所が1日のうち何時間ほど陰になるかが一目でわかるため、図の影を見ると「敷地の北側に配置すれば日当たりが良くなる」というのがすぐ分かるのです。
冬場の南面の日射取得を
「最大」にする
建物の形状を検討
等時間日影図が出来上がったら、以下のように建物の形状を検討します。
最も陽当りが良いところに建物全体を配置できるようにする
南面の幅をできるだけ広く取り、南側隣家との離隔距離を極力大きく取れるようにする
リビングを最も陽当りが良い場所に配置できるようにする
リビングの前(できれば南側)に庭が確保できるようにする
リビングから視界の邪魔になりにくく、
玄関へのアクセスがいい位置に車庫が配置できるようにするできるだけ表面の凹凸が少ない形状となるようにする
(南側の凹凸は建物に影を作ります。そして北側の凹凸は元から寒い北側内部をさらに冷やす(暖める)ことになるため、南側の部屋と北側の部屋の温度差が大きくなります。)
6項目を全て完璧に満たすことは難しいですが、建物内の間取りに入る前の時点で上記6項目をバランス良く満たせるような相互配置関係を最初の段階で考えることがとても大事なのです。
夏場の日射遮蔽は
「角度」で検討する
南面の窓は断熱型Low-Eガラスにし、
日射を遮る庇かアウターシェードが必須です。
南面の窓は断熱型Low-Eガラス
にし、日射を遮る庇か
アウターシェードが必須です。
東西北面の窓は遮熱型Low-Eガラスを用いて、景色優先や採光規定で窓を大きくする場合はアウターシェードを設置します。
ただ、南の日射遮蔽は南面の配置角度が真南から20°以内であれば、庇とアウターシェードのどちらでも大丈夫です。
エイト建築設計事務所では外付けブラインドは使用しません。それは価格が高く、もともと安い冷房費を外付けブラインドの日射遮蔽で削減しても原価を回収することが現状では難しいから。
しかし、20°を超える場合はアウターシェードでなければ適切に日射遮蔽できないので注意が必要です。
東西南北で
「窓の性能」を変える
窓の性能の最低条件
窓の性能に関して、そのエリアの最低外気温の時に室内20℃、
相対湿度を50%にしても窓の下枠が結露しないことを最低条件としています。
これを考慮すると、樹脂窓もしくは木製窓となります。
可能であれば樹脂スペーサーを内蔵したサッシにトリプルガラスとするのが理想的です。
窓の下枠の断熱性能を改善することで、
結露防止に繋がります
窓の下枠の断熱性能を改善する
ことで、結露防止に繋がります
最も不利な部分である窓の下枠の断熱性能を改善することで、結露防止、コールドドラフト防止の両面から重要となってきます。
そのため、寒冷地であれば全面トリプルガラスにし、温暖地であれば東西北面はトリプルガラスにするのが望ましいです。
また、気密性を高めるためにはできるだけ「開き戸系」の窓を使用し、南面の大窓以外で「引戸系」の窓を使用する必要性はないです。
パッシブ設計を取り入れることで、